【2月29日 AFP】世界保健機関(WHO)は28日、新型コロナウイルスが世界全体に及ぼす危険性の評価を最高水準の「非常に高い」に引き上げた。ウイルスは新たにサハラ以南アフリカにも拡大しており、各金融市場の急落を招いている。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長はスイス・ジュネーブでの記者会見で、評価引き上げの理由について、感染者の増加が続いていることと、初の感染者が確認された国がここ数日間で増加したことを挙げた。

 一方でテドロス氏は「感染者の早期発見と隔離や治療、感染経路の解明のために断固とした行動を取れば、まだこのウイルスを封じ込められる可能性はある」とも述べた。

 新型ウイルスはここ1週間で世界各地に広がり、南極大陸を除くすべての大陸で感染が確認される事態へと発展。多くの政府や企業が人々の移動や集会を中止する措置を取った。

 28日には新たにスイスが、参加者1000人超のイベントについて、3月15日まで開催を禁止すると発表。これを受け、来週に開催が予定されていた自動車業界の主要イベント、ジュネーブ国際自動車ショー(Geneva International Motor Show)も中止された。

 WHOは、アフリカ諸国の備えについて特に大きな懸念を表明。アフリカ大陸の医療体制は新型コロナウイルスの流行に対処するには準備不足だと警告している。

 アフリカではこれまでにもエジプトとアルジェリアで感染者が確認されていたものの、28日にはナイジェリアの人口密集都市ラゴス(Lagos)でもイタリア人男性の感染が確認され、サハラ以南地域では初の感染者となった。

 このほか、新たにベラルーシ、デンマーク、アイスランド、リトアニア、メキシコ、そしてニュージーランドでも感染者が確認された。(c)AFP/Dario THUBURN