【2月28日 AFP】地球の周りを回るように運動する自動車ほどの大きさの新たな月、「ミニムーン」が見つかった。米アリゾナ州のカタリナ・スカイサーベイ（Catalina Sky Survey）の天文学者らが発表した。

　直径約1.9～3.5メートルのミニムーンは今月15日夜、米航空宇宙局（NASA）が出資するカタリナ・スカイサーベイの天文学者、カッパー・ビエルチョス（Kacper Wierzchos）氏とテディ・プライン（Teddy Pruyne）氏が発見した。

　ビエルチョス氏は26日、ツイッター（Twitter）に「大ニュース。地球に新たな一時的捕獲天体があった」と投稿。C型小惑星とみられるこの天体を「2020 CD3」と名付けたことを明らかにした。

　同氏は「地球を周回していることが確認された小惑星はまだ（カタリナ・スカイサーベイによって発見された『2006 RH120』に次いで）2個目」で、今回の発見は「重大事」だとした。

　小惑星の軌道から、3年前に地球の周りを回るようになったと考えられるという。

　小惑星に関するデータを収集しているスミソニアン天体物理観測所（Smithsonian Astrophysical Observatory）小惑星センター（Minor Planet Center）は、「既知の人工天体との関連は見つかっていない」と述べ、一時的に地球の重力に捕らわれた小惑星である可能性が高いとの見方を示した。

　このミニムーンは軌道が不安定で、地球の周回軌道に長くとどまる可能性は低いという。

　北アイルランドのクイーンズ大学ベルファスト校（Queen's University Belfast）の研究者、グリゴーリ・フェドレツ（Grigori Fedorets）氏はこの小惑星について、「こうしている間にも地球・月系から離れつつある」と英科学誌ニュー・サイエンティスト（New Scientist）に語った。4月にも地球の重力から脱していくとみられるという。

　地球を周回しているのを発見された最初の小惑星「2006 RH120」は、2006年9月から2007年6月まで周回した。(c)AFP