【2月28日 AFP】イラン保健省は27日、新型コロナウイルスへの感染による同国の死者が26人に増加したと発表した。同国では感染拡大ペースが加速しているとみられ、新たに副大統領の感染も確認された。

 保健省の報道官は記者会見で、国内の感染者数は前日から106人増え、245人となったと述べた。同国で初の感染者が確認された2月19日以降、1日当たりの新規感染者数としては最多となった。イランの死者数は、ウイルスの発生国である中国に次ぎ多くなっている。

 イランでは政府高官の感染も相次いでおり、新たにマスーメ・エブテカール(Massoumeh Ebtekar)副大統領(女性・家族問題担当)の感染が確認された。エブテカール氏は1979年、テヘランにある米大使館で米国人52人を人質にとって立てこもった学生らの広報担当を務めた人物。国営イラン通信(IRNA)によると、現在は自宅で治療を受けており、部下も検査を受けた。

 さらに、イラン初の感染者が確認されていたイスラム教シーア派(Shiite)の聖地コム(Qom)選出の国会議員で、国会の国家安全保障・外交問題委員会委員長を務めるイスラム教指導者モジュタバ・ゾルヌール(Mojtaba Zolnour)氏も感染。同氏はファルス(Fars)通信が伝えた動画の中で、現在自宅待機していると述べた。

 2日前には、政府の新型コロナウイルス対策チームを総括していたイラジ・ハリルチ(Iraj Harirchi)保健副大臣がウイルス感染を公表していた。(c)AFP