【2月28日 AFP】新型コロナウイルスで世界各国が感染拡大の阻止に努める中、世界保健機関(WHO)は27日、同ウイルスの流行に関しわれわれは今「岐路にある」と述べた。

 イランで新型ウイルスによる死者が急増したことを受け、同国に近いサウジアラビアは国内のイスラム教聖地への巡礼禁止を表明。日本とイラクは学校の休校を決めた。

 新型コロナウイルスの流行中心地は現在、韓国やイタリアなど、もはや中国に限らず、パンデミック(世界的な大流行)の懸念も強まり警戒感が高まっている。

 WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長はスイス・ジュネーブでの記者会見で、「われわれは岐路にある」と言明。「今、積極的に行動すれば、このウイルスを封じ込めることができる、病人を出さずに命を救うことができる」と述べた。

 新型ウイルスによる死者の数は世界ですでに2760人を超え、感染者数は45を超える国で8万1000人余りとなっている。ウイルスによる死者の大半は、昨年12月に最初の感染者が出た中国国内の患者。ただ1日当たりの新たな感染者の数は現在、中国よりも中国国外の方が多く、保健インフラの整っていない貧困国が対処できないとの懸念が高まっている。

 テドロス氏は中国を除く「世界のその他の国々で起こっていることが今、われわれにとっての最大の懸念」と述べた。(c)AFP/Dario THUBURN