【2月27日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は26日、ホワイトハウス(White House)で記者会見し、新型コロナウイルスの米国内の流行拡大は「避けられないことではない」と述べ、対策責任者にマイク・ペンス(Mike Pence)米副大統領を任命した。一方、韓国やイタリアをはじめ、新型ウイルスの感染が広がっている国を対象に渡航制限を検討しているとも語った。

 これに先立ち米疾病対策センター(CDC)は25日、多くの人が集まるイベントの中止を米国民に呼び掛け、遠隔授業・テレワークの準備を進めるよう学校や企業に要請。CDCのナンシー・メッソニエ(Nancy Messonnier)所長は米国内での新型ウイルス流行について、「もはや起きるかどうかの問題ではなく、いつ起きるかという問題だ」と述べていた。

 米国内では26日時点で60人の感染者が確認されている。うち15人は国内の医療施設から報告があったもので、45人はクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス(Diamond Princess)」の元乗客や中国・武漢(Wuhan)からの帰還者だ。

 米議員の間からは、トランプ政権が新型ウイルス危機を過小評価し、対策費が不十分だとの批判が出ていた。

 ホワイトハウスは24日、対策費として25億ドル(約2800億円)以上を確保する補正予算案を連邦議会に提出したが、民主党のチャック・シューマー(Chuck Schumer)上院院内総務は「少なすぎるし、遅すぎる」と批判。85億ドル(約9400億円)の補正予算案を提示している。

 トランプ氏は26日の会見で、これまでアレックス・アザー(Alex Azar)厚生長官が担ってきた米政府の新型ウイルス対策の調整・報告責任者に、ペンス副大統領を任命したと発表。また、対策費についても、「適切なら幾らでも使おう。彼ら(シューマー院内総務と民主党)の求めることは何でもしよう」と述べた。(c)AFP/Issam AHMED