【2月27日 AFP】国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」は26日、イランが新型コロナウイルスに関する情報を「隠蔽(いんぺい)しているとみられる」と指摘し、ウイルス流行についての独立した報道を同国が妨害していると批判した。

 イランでは、公式発表によると新型コロナウイルスへの感染で19人が死亡している。

 RSFは、イランが「中国の例と同じく、この流行に関する情報を隠蔽しているとみられる」と表明。「当局は状況を統制できていると主張しているものの、死者や感染者の正確な数字の公表を拒否しており、取材を試みるジャーナリストらを妨害している」と指摘した。

 RSFによると、フリージャーナリストのムハンマド・モサド(Mohammad Mosaed)さんは2月23日、新型ウイルス感染症の流行に関するソーシャルメディア上の投稿をめぐり、イラン革命防衛隊(Iranian Revolutionary Guard Corps)の取り調べを受けた。

 モサドさんは取り調べ後に釈放されたものの、携帯電話とコンピューターは押収され、メッセージアプリ「テレグラム(Telegram)」とツイッター(Twitter)の両アカウントが停止された。

 またイランのサイバー警察によると、新型ウイルス流行について偽ニュースを拡散した疑いでこれまでに24人が逮捕された。

 一方ハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領は26日、イランと敵対関係にある米国が、新型ウイルスに関するプロパガンダを使用し、イランに対する「恐怖」を植え付けようとしていると非難した。米国のマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)国務長官は前日、流行規模の全容を隠しているとしてイランを批判していた。(c)AFP