【2月27日 AFP】新型コロナウイルスによる感染症「COVID-19」が、中国国外で急速に広まる中、潜在的感染者数や推奨される隔離期間のばらつき、さらには検査結果に対する疑念など、その特定や追跡方法の問題が浮き彫りになっている。

■潜在的感染者が多数?

 新型コロナウイルスによる感染症のアウトブレイクが、本格的なパンデミック(世界的な大流行)になることを防ぐには、他の人にうつさないよう感染者を特定し隔離することが欠かせない。

 だが、英インペリアル・カレッジ・ロンドン(Imperial College London)が世界保健機関(WHO)と協力し行った調査によると、世界はこれまでのところこれに失敗している。

 21日に公表された報告書は、「中国から国外に出たCOVID-19の感染者の約3分の2が世界的に検出されておらず、これによって他国での人から人への感染ケースが複数起きていることも考えられる」と指摘している。

 フランスの公衆衛生当局の研究者ダニエル・レビィブリュル(Daniel Levy-Bruhl)氏はAFPの取材に対し、問題の一つは風邪と同程度の軽い症状しか出ていないケースを含む「さまざまな臨床症状があることだ」と語る。

 これはつまり、ほぼ症状が出ていない、もしくは軽い症状しか出ていないケースにおいては、感染者が検知されない恐れがあることを意味する。

 さらに検出が難しいのは、ウイルスに感染しても症状が出ない人だ。ただ、専門家らによると、これらの「無症状の」感染例はごく一部に限られていると考えられるという。レビィブリュル氏は「このような個人は感染を広める可能性があるが、せきやくしゃみなどの症状がある人よりも間違いなく少ない」と述べている。

「これまでの研究では、新型コロナウイルス感染症は症状がある人からうつることが圧倒的に多いことが確認されている」