【2月26日 AFP】米大統領選に向けた民主党討論会が25日、サウスカロライナ州で行われた。候補者たちは、指名争いで現在トップを走る急進左派のバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員(78)を集中攻撃し、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の挑戦者としては不完全であり、有権者にとって急進的過ぎると非難した。

 穏健派で退役軍人のピート・ブティジェッジ(Pete Buttigieg)氏(38)は、国を統一するのは自分だと主張し、サンダース氏がトランプ氏と戦えば「混乱」が生じ、国は分裂すると警告。結局はトランプ政権がさらに4年続くことになると述べた。

 29日には、14州で予備選が行われる来月3日の「スーパーチューズデー(Super Tuesday)」を前にした最後の予備選がサウスカロライナ州で行われる予定で、この予備選でのサンダース氏の勝利が有力視されている。

 国民皆保険などの政策が「急進的」過ぎるとの非難に対してサンダース氏は、ヘルスケアは人権であるという考えなどは「世界中の国々に存在する」として反論。「ここにいる誰もがトランプ氏に勝ちたいと望んでおり、そのためにはエネルギーと興奮に満ちた選挙運動が必要だ」と訴えた。

 指名争いにまだ参戦中であることを証明しようとしているジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領(77)も、これまでの討論会でほとんど議題にあがらなかった銃規制をめぐり、サンダース氏を激しく攻撃。サンダース氏には、銃器製造会社を相手取った訴訟を可能とする法案に反対票を投じたという大きな欠点があり、これを非難した。

 富豪のマイケル・ブルームバーグ(Michael Bloomberg)前ニューヨーク市長(78)はブティジェッジ氏と同じく、サンダース氏が候補に指名されても、確実にトランプ氏に負けると主張。ロシアの「ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領はドナルド・トランプ氏が米大統領であるべきだと考えており、そのためにロシアはあなた(サンダース氏)が選ばれるよう支援している。あなたはトランプ氏に負けるからだ」と述べた。

 ブルームバーグ氏はさらに、米最大都市であるニューヨークの市長を12年間務めた経歴を売り込み、「私を選ぶことは理にかなった選択の一つだ」と主張した。

 指名争いに遅れて参戦したブルームバーグ氏は、4州での予備選には参加せず、スーパーチューズデーで大きな結果を出すことを目指している。これまでの選挙広告には5億ドル(約550億円)超が投じられている。(c)AFP/Leila Macor, with Michael Mathes in Washington