中国で国外退去命じられた米国人記者、武漢に足止め 流行収束まで
このニュースをシェア
【2月26日 AFP】中国当局に国外退去を命じられた米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の記者3人のうちの1人が、新型コロナウイルス流行の中心地で封鎖状態にある中部・武漢(Wuhan)に、流行が収束するまでとどまることが分かった。当局が25日、明らかにした。
WSJの記者3人は、同紙に掲載された論説の見出しが人種差別的だとして先週、中国政府から取材記者証を取り消されていた。この3人の記者は論説の執筆には関わっていなかった。
3人のうち2人は24日に北京をたったが、残る1人の米国人チャオ・ダン(Chao Deng)氏は、新型コロナウイルス発生地の武漢から報道していた。武漢では1か月以上にわたって事実上の隔離措置が実施されており、1100万人の住民はほとんど自宅内に閉じ込もっている。
中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は記者会見で、チャオ氏は現時点では国外追放されないが、中国国内にいる間は仕事への従事を認めないと説明。「人道上の理由から彼女の武漢滞在は引き続き許可するが、取材を行うことはできない」とし、「流行が収束し次第、なるべく早く出国を認める」と述べた。
中国・北京に駐在するジャーナリストらで組織する駐華外国記者協会(FCCC)によると、過去20年以上で中国政府からあからさまに国外退去処分を受けた外国人記者はWSJの3人が初めて。(c)AFP
