【2月26日 AFP】フランスのブリュノ・ルメール(Bruno Le Maire)経済・財務相は25日、新型コロナウイルスの流行について、グローバル化の流れを変え、特に医療や医薬品、自動車といった業界における供給網の見直しを迫る出来事だと述べた。

 ルメール氏はギリシャの首都アテネを訪問中、「新型コロナウイルスの流行は、グローバル化の流れを変える出来事だ」と評した。

 さらに、今回の流行が中国に対する「無責任かつ不合理な」依存を浮き彫りにしたと指摘し、結果として生じる中国産業界の減速は工業製品の再供給に「直接的な影響」をもたらすだろうと語った。また、「われわれは医薬品の有効成分の80~85%を中国に頼り続けることはできない」とも述べた。

 ルメール氏は新型ウイルスが世界および欧州の経済成長に与える影響に懸念を示し、欧州への中国人観光客の多さを考えると旅行業界が打撃を受けるだろうと述べた。同氏によるとフランスだけでも年間250万人超の中国人観光客を受け入れており、観光部門で「重要な」シェアを占めている。

 新型コロナウイルスによる世界の死者はこれまでに2600人近くに上っている。フランス国内では高齢の中国人観光客1人が死亡した一方で、入院していた11人のうち10人がすでに回復している。
 
 仏南部リヨン(Lyon)では24日、伊ミラノ(Milan)から到着したバスの乗客らが数時間、車内に足止めされた。ミラノが州都となっているロンバルディア(Lombardy)州は、欧州における新型コロナウイルス流行の中心地となっている。(c)AFP