【2月25日 AFP】(更新)数々のセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)疑惑にさらされている、スペインの世界的オペラ歌手プラシド・ドミンゴ(Placido Domingo)氏(79)が25日、被害を訴えた人々に自身が引き起こした「苦痛」について謝罪し、自らの行動に対する「すべての責任」を引き受けると述べた。

 ドミンゴ氏がスペインの通信社エウロパ・プレス(Europa Press)に送付し、AFPが確認した文書には、「私が引き起こした苦痛について心から申し訳なく思っているということを、(被害を訴えた人々に)知ってほしいと思っている。私の行動の全責任を引き受ける」と書かれている。

 20世紀を代表する「三大テノール(Three Tenors)」の一人として名をはせ、近年はバリトンへ転向したドミンゴ氏。世界的に著名な複数のオペラハウスで監督や指揮を務めてきた同氏をめぐっては、少なくとも20人の女性が、無理やりキスをされたり、体を触られたりしたと告発。こうした行為は少なくとも1980年代から続いていたとされる。

 ドミンゴ氏はこれまで疑惑を否定。女性らの話は「不正確」で、すべてのやりとりや関係は「常に歓迎され、同意に基づいていた」と主張していた。

 だが今回の文書で同氏は、「私は過去数か月間、時間をかけて私のさまざまな同僚から受けた申し立てについて熟考した」と説明。

「今になって私は、正直な気持ちを表現することを恐れた女性もいたかもしれないと気づいた。そうすればキャリアに悪影響が出かねないとの懸念からだ。それは私の意図では決してなかったとはいえ、誰であれそのように感じることを強いられるべきではない」と述べている。(c)AFP