【2月25日 AFP】中国の裁判所は24日、スウェーデン国籍を持つ香港の書店経営者、桂民海(Gui Minhai)被告に対し、外国で違法に機密情報を提供したとして懲役10年の判決を言い渡した。桂被告をめぐり中国政府とスウェーデン政府の関係は険悪化している。

 桂被告は、中国の政治指導者らのゴシップ本を扱うことで知られる香港の書籍販売業者5人のうちの一人。2018年2月にスウェーデン外交官らと列車で首都北京へ向かっていた際、中国当局に連行された。桂被告が中国で身柄を拘束されたのは2度目だった。

 東部寧波(Ningbo)市の裁判所は24日、桂被告に有罪判決を下し、懲役10年に加え、5年間の「政治的権利の剥奪」も言い渡した。これにより同被告は中国国営企業の幹部になることや、中国の国家機関で役職を得ることができなくなる。

 中国は二重国籍を認めておらず、中国国籍を取得した外国人は外国籍を放棄しなければならない。だが同裁判所は、桂被告は2018年に中国国籍を復活させたが、スウェーデン国籍を放棄したかどうかは現時点では定かではないと述べた。

 桂被告は2015年にも休暇先のタイで行方不明となった。その後、非公開の中国の某所からメディアに登場し、死者の出た交通事故に関与し、さらに違法書籍の密輸に関わったなどと告白。2年間服役し、2017年10月に釈放されたが、その3か月後に再び北京へ向かう列車内で拘束された。桂被告の家族や支援者は、拘束は中国当局が指揮する政治弾圧の一環だと主張している。(c)AFP/Jing Xuan TENG