【2月25日 AFP】米航空宇宙局(NASA)で画期的な活躍を遂げ、映画『ドリーム(原題:Hidden Figures)』のモデルとなった米黒人女性の数学者、キャサリン・ジョンソン(Katherine Johnson)氏が24日、死去した。101歳だった。NASAが明らかにした。

 ジョンソン氏の軌道計算は、1969年の人類初の月面着陸に貢献した。しかし、NASAで働く3人の黒人女性を題材にした映画『ドリーム』(2016)がアカデミー賞(Academy Awards)にノミネートされるまで、その名はほとんど知られていなかった。

 NASAのジム・ブライデンスタイン(Jim Bridenstine)長官は、「彼女は米国のヒーローだった。彼女の先駆的な業績は、決して忘れられないだろう」と述べ、ジョンソン氏の勇気と、同氏がいなければ達成することのできなかった功績をたたえた。

 ジョンソン氏の数学の才能は、のちにアポロ11号(Apollo 11)の軌道決定に役立てられ、1969年7月にニール・アームストロング(Neil Armstrong)とバズ・オルドリン(Buzz Aldrin)両飛行士が月面への着陸に成功した。

 ジョンソン氏は2015年、当時のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領から文民最高位の大統領自由勲章(Presidential Medal of Freedom)を授与された。

 また、98歳だった2017年には、『ドリーム』がノミネートされたアカデミー賞の授賞式に出席。舞台に登場したジョンソン氏は、会場からスタンディングオベーションを受けた。

 NASAのブライデンスタイン長官は、「ジョンソン氏は、わが国による宇宙というフロンティアの拡大に貢献するとともに、女性や有色人種の人々に扉を開く大きな一歩を踏み出した」と述べた。(c)AFP