【2月25日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は24日、初めて公式訪問したインドで、熱狂的かつ夢のような歓迎を受けた。同日には大勢の市民の前で演説した他、夫人と手を取り合ってタージマハル(Taj Mahal)にも訪れた。ただ今回の訪印では写真撮影の機会こそ多いものの、具体的な成果は見込まれていない。

 トランプ氏は、ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相の地元グジャラート(Gujarat)州にある世界最大のクリケット競技場で、右派の同首相を「傑出した指導者、インドの偉大なる闘士」と呼んで大いに称賛した。

「米国はインドを愛している。米国はインドを尊敬しており、米国はインドの人々の誠実で忠実な友人であり続ける」とトランプ氏が話すと、約10万人の観客の盛り上がりは最高潮に達した。

 その後トランプ氏と妻のメラニア(Melania Trump)夫人は、航空機で移動しタージマハルに到着。国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)が「イスラム芸術の至宝」と呼ぶ大理石の建造物を、日没前に訪問した。

 建造物の一部には、汚れを落とすため事前に泥のパックが施され、また付近を流れる川では、悪臭を緩和するための作業も行われた。

 トランプ大統領とモディ首相の型通りの振る舞いと、芽生えを見せる親密さの裏には、トランプ氏が推進する「米国第一」のキャンペーンと、モディ氏が掲げる「メーク・イン・インディア」のスローガンとがぶつかり合う緊張関係が存在する。

 両首脳は広範囲に及ぶ貿易協定ではなく、米二輪車メーカー「ハーレーダビッドソン(Harley-Davidson)」のバイクや乳製品などについて、小規模な合意に署名するにとどまるとの報道もある。(c)AFP/Bhuvan BAGGA, Jerome CARTILLIER