【2月24日 AFP】22日に行われたボクシングのWBC世界ヘビー級タイトルマッチで、タイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)が王者デオンテイ・ワイルダー(Deontay Wilder、米国)を撃破したことを受け、残る3団体のベルトを持つアンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua、英国)側のプロモーターが、2020年中の統一戦実現を希望していると話した。

 劇的な引き分けに終わった1回目の対戦から14か月ぶりの再戦で、フューリーは相手に耳や口から流血させるなど終始ワイルダーを圧倒。3回と5回にダウンを奪うと、最後は7回TKOで5年にわたって王座を維持したワイルダーにキャリア初黒星をつけた。

 無敗を維持し、2回目のヘビー級王座を獲得したフューリーは、「キングが王座に戻ったぞ」と宣言している。こうなると、気になるのは今後の展開だ。ワイルダー対フューリー第3戦か、それとも歴史的な英国勢による統一戦か。

 ワイルダー対フューリー戦の契約には、再戦に関する条項が盛り込まれており、フューリーとジョシュアのプロモーターを務めるエディー・ハーン(Eddie Hearn)氏のどちらも、ワイルダーが3回目の対戦を求めると考えている。

 しかし「ボクシング史上最大のファイト」の舞台が整う日が待ちきれないと話したハーン氏は、ツイッター(Twitter)に「3回目は必要ない。夏に直接やろう!」と書き込んだ。

 ジョシュアは2019年12月、アンディ・ルイス・ジュニア(Andy Ruiz Jr、米国)との再戦を制してWBAとIBF、WBOのベルトを奪還した。ハーン氏は、両者による統一戦の実現には今が千載一遇のチャンスだと考えており、英ラジオ局「トークスポーツ(talkSPORT)」でこう話している。

「英国ボクシングにとって素晴らしい時期だ」「ヘビー級の世界チャンピオンを一人輩出するだけでもすごいのに、今は二人ですべてのベルトを保持している。こんなことはもう二度とないだろう」

「前にも言ったことだが、改めてはっきりさせたい。統一戦を実現させなければならない。英国のボクサー二人がヘビー級の統一王座を懸けて争えるチャンスはこの先二度とない」「実現に全力を尽くすことを約束する」

 ハーン氏によれば、ジョシュアもフューリー戦のリングに上がることに意欲的で、フューリーがワイルダーを圧倒する光景を目の当たりにしてもおじけづいてはいないという。

「AJ(ジョシュア)とはすでに話をしたが、彼もやりたがっている」「タイソン・フューリーと戦うことへの恐れはゼロで、統一王者が彼の望みだ」「世界のあらゆる国が、開催に名乗りを上げるだろう。個人的には、英国がふさわしいと思う。しかしまず重要なのは、対戦を成立させることだ」 (c)AFP/John WEAVER