【4月17日 AFP】婚前交渉がタブーとされるインドで、未婚のカップルが利用可能なホテルを検索できるアプリが多数、出てきている。

 例えば、ステイアンクル(StayUncle)やブレビステイ(BreviStay)は時間貸しパッケージを提供している。また、ソフトバンクグループ(SoftBank Group)が出資するオヨ(Oyo)のアプリは、カップル・フレンドリーなホテルを検索できる。

 若い起業家らは、これまで手付かずだった未婚カップル向けのホテル市場が利益を生むことに気付きつつある。

 これは、ムンバイに拠点を置くPR会社の幹部であるプージャさん(27)にとって朗報だ。プージャさんは2016年、当時の恋人とホテルにチェックインしようとしたところ、ホテルから結婚しているのかどうか聞かれた経験がある。プージャさんは「批判されているように感じ」、うそをつくことにしたという。

 プージャさんのような経験は、インドでは珍しいことではない。インドでは、高額な家賃や保守的な文化規範を理由に結婚するまで親と同居する人も多く、未婚のカップルはプライバシーの確保に苦労している。

 また、警察がホテルに踏み込み、未婚のカップルを見つけると賄賂を要求したり、ヒンズー教過激派がバレンタインデーのような「欧米の」記念日を祝うカップルを襲ったりすることもある。

■需要と供給

 ステイアンクルの創設者、サンチット・セティ(Sanchit Sethi)氏(30)は当初、企業の出張者をターゲットに考えていた。だが、カップルからの問い合わせが相次ぎ、自分が間違った顧客をターゲットにしていたことに気付いたという。

 セティ氏は早速カフェにいる若者に名刺を配り、「カップルに必要なのは、批判ではなく部屋だ」というキャッチフレーズと共にアプリを売り込んだ。

 2016年にアプリをリリースすると、セティ氏と同僚は過激派から脅迫を受けるようになった。だが、「誰も電話を掛けてくる以上のことはしなかった」と話す。警察の強制捜査と他の顧客が気分を害することを懸念するホテルも多く、説得するのは大変だった。だが、需要は急増しており、セティ氏は心配していない。