【2月23日 Xinhua News】新型コロナウイルスによる肺炎との闘いが続く中、中国の農家は豊作を期待し、慎重かつ積極的に春の農作業を始めている。

 総人口14億人の食糧を確保しなければならない中国では、ほとんどの地域で最も良い農作業の時期は春だが、新型コロナウイルスが流行している今年は、例年にも増して穀物の確保が差し迫った課題になっている。

 中国広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)福成鎮(Fucheng Township)でトマトを温室栽培している蔡健蓮(Cai Jianlian)さん(56)は「毎日作業前には体温を測り、指定された服を着て、お互いに一定の距離を保ちながら仕事をしています」と語った。

 福成鎮の責任者は「村の人たちには、農作業は交代しながら行い、予防措置も取るよう指示している」と述べた。

 安徽省(Anhui)でも農家の人たちは急ピッチで作業を進めている。今年は87ヘクタールの畑に小麦を植えたという聶紅偉(Nie Hongwei)さん(39)は、「作物は順調に育っています。除草が終わったらすぐに肥料をまかないと。ウイルスが流行していても農作業を遅らせることはできませんから」と話した。

 農業農村部は先日出した通達の中で、市場への供給を増やし、春の農作業ニーズに応えるため、農業関連企業が可能な限り早期に業務を再開できるよう支援すると強調した。10日の時点で、国内の主な食糧生産・加工企業の9割以上が生産を再開した。

 安徽省南陵県で種子会社を経営する汪根火(Wang Genhuo)さんは、「春の農作業のため、われわれは300万キログラムの種もみを用意した」と話した。「備蓄は地元市場への供給を確保するだけでなく、省内のほかの都市のニーズにも応えられる」

 経済支援を必要とする人たちに向けた準備も整っている。中国の地方政策銀行は、新型コロナウイルス流行の影響を抑えるため、春に農作業を行う人を対象とする財政支援を強化した。10日現在、中国農業発展銀行は、農業資材の十分な供給と円滑な輸送を確保するため、総額120億元(1元=約16円)の融資を行っている。(c)Xinhua News/AFPBB News