【2月23日 AFP】イランで22日、新型コロナウイルス感染による死者が東アジア以外で最多の5人となった。これを受けて当局は、学校や文化施設の閉鎖を指示した。

 イラン初の感染者は19日に確認され、当局は首都テヘラン南部にあるイスラム教シーア派(Shiite)の聖地コム(Qom)で高齢者2人が死亡したと発表した。中東で新型コロナウイルス感染による死者が確認されたのはこれが初めて。

 保健省報道官は22日、新たに10人の感染が確認され、うち1人が死亡したと国営テレビに発表した。8人はコム、2人はテヘランの病院に入院したが、死者がどちらの病院で出たかは明らかにしなかった。

 これで、イランで確認された感染者数は計28人となった。

 国営テレビは、「予防措置」として、当局がテヘランやコムなど全国14州・都市の学校や大学などの教育施設を23日から閉鎖するよう指示したと報じた。

 政府はまた、感染拡大を防ぐため「全国のホールでのアートや映画関連のイベントの開催が、週末まで中止となった」と発表した。

 イランの人々は感染を避けようと医療用マスクの購入を急いでいる。イランのインターネット通販大手ディジカラ(Digikala)は21日、36時間以内でマスク7万5000枚が売れたと明かした。需要が闇市場での価格高騰を招くことへの懸念から、同社のマスク販売における手数料は請求していないという。(c)AFP/David VUJANOVIC