■悪質デマの標的に

 シャオさんはさらに、友人が暮らす町で悪意あるうわさの標的となった。

「私が突然変異を起こした、すでに荼毘(だび)に付された、町で感染を広めるために友人がわざと私を招待した、私の両親が(ウイルスの発生源とみられる武漢の)市場で働いていた——。本当にいろいろなタイプのうわさだ」

「診断された際、精神的に最も追い詰められた。友人には申し訳ない気持ちだった」

 シャオさんは19日、ついに退院し、政府が提供した隔離場所に移された。

 シャオさんは、新型コロナウイルス感染から回復した人の細胞を用いた実験的な治療のため、自分自身の血漿(けっしょう)を提供するつもりだ。また流行が終わったら、成都にあるメディア企業を退職し、両親の近くにいられるよう実家がある省で暮らしたいと考えている。

「もう二度とそこでさまよい続けるような羽目にはなりたくない」(c)AFP/Qian Ye