【2月23日 AFP】ボクシング、WBC世界ヘビー級タイトルマッチが22日、米ラスベガス(Las Vegas)のMGMグランド・ガーデン・アリーナ(MGM Grand Garden Arena)で行われ、タイソン・フューリー(Tyson Fury、英国)が7回TKOで王者デオンテイ・ワイルダー(Deontay Wilder、米国)に勝利し、王座を奪取した。

 14か月前の1戦目では劇的な引き分けに終わった両者の対戦だが、今回はワイルダーが左耳と口から血を流すなど、フューリーが王者を圧倒。3回と5回にダウンを奪うと最後は7回、ワイルダー陣営の要請によりレフェリーが試合終了を宣言した。

 金色の玉座に乗って登場した自称「ジプシーキング」ことフューリーは、「キングが王座に戻ったぞ」とコメントした。

 1回目の対戦では技術の高さを見せたフューリーだが、この試合では開始のゴングから明らかに打ち合いを意識したボクシングを展開し、3回には強烈な右で1度目のダウンを奪取。その後も足元がふらついたままのワイルダーは、直後にもキャンバスに倒れたが、これはスリップと判定された。

 しかし5回には、フューリーが今度は左のボディーブローで再びダウンを奪うと、その後もパンチの雨を降らせる中で迎えた7回1分39秒、ワイルダー陣営がタオルを投げ込んだ。

 フューリーは戦績を30勝(21KO)に伸ばし、無敗を維持している。一方「ブロンズ・ボンバー(銅色の爆撃機)」こと34歳のワイルダーは、44戦目にして初黒星を喫し、戦績は42勝(41KO)1敗1分けとなった。また、モハメド・アリ(Muhammad Ali)氏と並んでいた10度防衛のヘビー級記録を更新する機会も逃した。

 フューリーは「一つ言いたいのは、デオンテイ・ワイルダーに敬意を払いたいということだ」「彼は男らしく戦い、チャンピオンのハートを見せつけた」「右をきれいにヒットさせて倒しても、立ち上がって7回まで戦った」「彼は戦士だ。また戻ってくるだろうし、またチャンピオンになるだろう」とコメントした。

 一方、フューリー寄りの観客が歓声を上げる中、少しの間、試合を止めた判断に不満げな様子を見せていたワイルダーは「陣営には、最後まで俺の判断でやらせてほしかった」「俺は戦士だ」と話している。

 今後については、両者の3回目の対戦の可能性もあるが、ボクシングファンはIBFとWBA、WBOのベルトを持つアンソニー・ジョシュア(Anthony Joshua、英国)との統一戦実現に期待を寄せている。(c)AFP