【2月21日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するメルセデスAMG(Mercedes AMG)は20日、スペイン・バルセロナ(Barcelona)で行われている新シーズンに向けた合同テストで新たなステアリングシステムを試験導入し、この装置が厳格なF1の規則に従ったものであると主張した。

 現世界王者ルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)のマシンに搭載されたカメラの映像では、ストレートに突入する際に同選手がステアリングを手前に引いて前輪の角度を変え、次のコーナーではハンドルを元に押し戻していた様子が確認された。

 F1マシンには通常、安定したコーナリングを確保するため前輪にわずかな角度がつけられている。

 メルセデスのテクニカルディレクターを務めるジェームズ・アリソン(James Allison)氏は、同日行われた合同テスト2日目の午前中のセッションを終えた後、「デュアル・アクシス・ステアリング(Dual Axis Steering)」と呼ばれるこのシステムがマシンに搭載されていると明かした。

 アリソン氏は、「彼ら(統括団体の国際自動車連盟<FIA>)には伝えている。ステアリングシステムの許容範囲に関する規則は明確だ。われわれは、このシステムが必要条件に合致しているという絶対の自信がある」とコメント。今回の刷新が「ステアリングに新たな次元をもたらし、それが役に立つことを期待してる」と話しつつも、具体的にどのような利益につながるのか詳細な説明は避けた。

 一方、今シーズンはミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏が樹立した史上最多記録に並ぶ通算7回目の世界タイトル獲得を目指している35歳のハミルトンは、「このチームが革新と競技のトップにとどまる努力を続けていることに心から勇気づけられている。そのことが、チーム内に素晴らしい士気をもたらしていると感じるから、自分たちの有益になることを願っている」と語った。

「まだ今朝試したばかりで、それを最大限に生かし、理解しようとした段階だけれど、きょうのところは安全性には問題ないし、FIAもこのプロジェクトにOKを出している」 (c)AFP