【2月21日 AFP】(更新)米連邦地裁は20日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の顧問を長年務めたロジャー・ストーン(Roger Stone)被告に対し、議会の調査を妨害した罪などで禁錮3年4月の量刑を言い渡した。ストーン被告をめぐっては、トランプ氏が司法制度に政治的介入をしたとの批判が上がっていた。

 ストーン被告は昨年11月、2016年大統領選におけるロシア介入疑惑をめぐり、連邦議会に対する偽証、証人に対する不当圧力、下院調査の妨害などの罪で有罪となっていた。

 裁判所は、ストーン被告による再審請求を検討する間の措置として刑の執行延期を認めたため、被告は直ちに収監されることはなかった。

 検察は当初、被告に対し連邦当局の量刑指針に従い禁錮7〜9年を求刑していたが、トランプ氏が「誤審」を主張して検事らを非難したことでスキャンダルに発展した。

 トランプ氏との緊密な関係を批判されてきたウィリアム・バー(William Barr)司法長官はこの件に自ら介入し、求刑内容は「極端かつ過剰」だったとして撤回。これを受け、検事4人が裁判の担当を辞退した。

 その後、新たな担当検事は求刑内容を禁錮3~4年へと軽減。トランプ氏はツイッター(Twitter)上で、「全く制御不能な」状態に陥っていた裁判にバー氏が介入したことを称賛していた。

 ラスベガスでのイベントに参加していたトランプ氏は量刑言い渡しを受け、ストーン被告がいずれ罪を晴らす可能性は「とても高い」と言明。さらに陪審の「腐敗」を非難したが、その根拠は示さなかった。

 ストーン被告については、トランプ氏が恩赦を与えるとの見方が強まっていたが、トランプ氏は「今後の成り行きを見守る」「いつか決定を下す」と述べ、直ちに恩赦は与えない意向を示した。(c)AFP