【2月20日 AFP】英国政府は、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)に伴う新移民政策案を発表したが、産業界は19日、同案に反発した。新政策は「欧州からの安い労働力」を減らし高度な技能を持つ英語話者に有利となるポイント制で、国内労働者の雇用推進を目的とするとしている。

 2021年1月1日に施行予定の新政策について、産業界からこれにより外国人労働者への依存度が高い業界で人手が不足するとの批判が出た。経営者団体の「英国産業連盟(CBI)」は、医療、社会福祉、建設、宿泊・飲食店業界が大きな打撃を受ける恐れがあると警告。「企業は、海外から採用するのと会社従業員の能力と新技術に投資することが『二者択一』の選択でないことを知っている。経済を前進させるには両方が必要だ」と指摘した。

 一方、プリティ・パテル(Priti Patel)内相は、国内経済に悪影響が出るとの見通しを一蹴した。パテル氏は経営者らに対し、労働力不足を地元の人材雇用で補うよう要請。スカイニューズ(Sky News)で、英国では「今現在、16~64歳の労働人口の20%に当たる、800万人以上が経済活動に従事していない」と指摘した。

 パテル氏が「堅実で公正」とする新方針は、この50年の移民政策で最も大きな変化をもたらす内容で、同政策案は、ボリス・ジョンソン(Boris Johnson)首相が率いる与党・保守党が安定多数を確保している議会で審議される見通しだ。(c)AFP/Joe JACKSON