【2月19日 AFP】東アフリカ各地に甚大な被害をもたらしているバッタの大群が、南スーダンに到達したと、同国政府が18日、発表した。世界で最も脆弱(ぜいじゃく)な国の一つが、さらなる苦境に直面する恐れがある。

 バッタの大群はこれまで、エチオピアやソマリア、ケニア、ジブチ、エリトリア、タンザニア、スーダン、ウガンダを縦断しながら作物を荒らしてきた。大群の一部は、ロシアの首都モスクワほどの大きさにまで膨れ上がっている。

 東アフリカでは、雨期に過去40年で最多規模の雨が降り、これがバッタの繁殖に拍車を掛けている。

 専門家らは、3~5月の主要収穫期は特に注意が必要だと警告している。主要な農業地域で、バッタの飛来後に残された卵がふ化して、さらなる大群を形成する恐れがある。

 内戦に続き干ばつと洪水に見舞われている南スーダンでは、バッタの飛来が壊滅的な状況をもたらす恐れがある。同国では人口の60%に当たる600万人がすでに深刻な飢餓に直面している。

 オンヨティ・アディゴ(Onyoti Adigo)農業・食料安全保障相は17日、バッタが対ウガンダ国境の東側を越えたと発表した。南スーダンにバッタの大群が襲来するのは、70年ぶりだという。

 同農業相は「報告によれば、これらは成虫だ。バッタは人間のように、事前に偵察隊を送ってくる。餌があるかどうか、繁殖に適しているかどうか確認するためだ」と説明し、「農薬散布を行う人々を訓練している。農薬や噴霧器も必要だ。散布時に移動用の車も必要だし、状況が悪化すれば航空機も必要になるだろう」と述べた。(c)AFP