【2月19日 AFP】新型コロナウイルスの集団感染が確認され、横浜港で検疫下に置かれていたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス(Diamond Princess)」で19日、船内に残っていた乗客の下船が始まった。

 14日間の検疫期間が終了し、ウイルス検査の結果が陰性と認められた人から順次下船する。19日に下船を許可されているのはおよそ500人。

 これまでに少なくとも542人の感染が確認され、中国本土以外では最大の集団感染が発生した場所となったダイヤモンド・プリンセスは、ウイルスにとって格好の温床であったことが明らかとなり、日本政府の検疫対応に対しては批判の声が高まっている。

 夢のクルーズは一転し、不安と、窓のない狭い船室に閉じ込められる極度の退屈という悪夢へと変わった。

 6歳の息子と船室に待機していたという乗客のヤードリー・ウォン(Yardley Wong)さんは、ツイッター(Twitter)に「陰性! 私も息子も夫も父母も! 神さま、私たちをお守りくださりありがとう。今は感極まっている」と投稿。

 検査結果が陰性で、症状が見られない人にはコロナウイルス感染のリスクはないと書かれた診断書が渡された。

 しかし、全員が幸運だったわけではない。

 英国人の乗客デービッド・アベル(David Abel)さんは検疫期間の最初の頃、「自分だけでなく、他の乗客も全員が精神的にこたえている。状況が分からないことが本当につらい」という動画メッセージを投稿していたが、後に妻ともども検査結果で陽性と判定された。

 映像は下船した乗客、19日撮影。(c)AFP/Miwa SUZUKI