【2月19日 AFP】イングランド・プレミアリーグのトッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)に所属する孫興民(Heung-Min Son、ソン・フンミン)が、右腕の骨折で長期離脱することが判明した。ジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督は、ビル4階のバルコニーにしがみついている状態に例えながら、チームが良い形でシーズンを終えられる可能性について言及した。

 すでにエースのハリー・ケイン(Harry Kane)が今季絶望となっているトッテナムは、16日のアストン・ビラ(Aston Villa)戦に3-2で勝利したものの、この試合で孫が負傷。モウリーニョ監督は、こちらもシーズン中に戻ってくるのは難しいのではないかと考えている。

 トッテナムはこの後、19日に欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2019-20)のRBライプツィヒ(RB Leipzig)戦、22日にはチェルシー(Chelsea)とのリーグ戦を控えている。チェルシー戦は来季のチャンピオンズリーグ出場を占う大一番になる可能性があり、トッテナムは勝利すれば大会出場圏内の4位に浮上する。

 昨年11月の就任時に古巣チェルシーと勝ち点12差の14位だったところから、ここまでチームを引き上げたモウリーニョ監督は、独特の例えを使いながら今がシーズンの分岐点だと話した。

「われわれがやって来たとき、チームは地下12階にいて、そこから階段に足をかけて上り始めたが、そこですぐに階段が崩れた」「それでもなんとか方法を見つけ、大変な苦労をして進み続けていた」

「ところが目標としていた4階へたどり着こうかというところで、今度は誰かが階段を取り払ってしまい、われわれは苦境に立たされている。バルコニーの手すりにぶら下がっている状態だ」

「今のわれわれには二つの道がある。まずは落ちて死ぬこと。ここは4階だから落ちれば死ぬ」「そしてもう一つがはい上がることだ。バルコニーに上がって全力で戦うことだ」

 孫はこのところ好調を維持し、公式戦5試合連続ゴールを挙げてケインの穴を埋めていただけに、離脱はチームにとって大きな痛手となる。アストン・ビラ戦では開始1分の接触で負傷していたにもかかわらず、94分の決勝点を含めた2ゴールを挙げていた。

 今週中にも手術を受けることになっている孫の離脱期間について、クラブは具体的なことを発表していない。しかしモウリーニョ監督の見方は悲観的で、「今季はもう戦力としてカウントできない」とコメントしている。(c)AFP/Pirate IRWIN