【2月18日 AFP】情勢不安定なパキスタン北西部の都市デライスマイルカーン(Dera Ismail Khan)で18日、ポリオの予防接種に従事する人々を狙って道路脇に仕掛けられた爆弾が爆発し、警察官1人が死亡、2人が負傷した。当局が明らかにした。

 今回の攻撃は、パキスタン政府が数千万の子どもたちに予防接種をするとの目標を掲げた全国規模のポリオ撲滅キャンペーンに乗り出した翌日に発生した。

 世界中でポリオが根絶されていないのは、パキスタンとアフガニスタンおよびナイジェリアの3か国のみ。ポリオに感染すると手足にまひが現れる可能性がある。

 パキスタンでは、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の最高指導者だったウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者を追跡するため、同国の都市アボタバード(Abbottabad)で米中央情報局(CIA)が偽の予防接種プログラムを実施した過去があり、予防接種への不信感が募っていた。

 現地の警察トップによると、デライスマイルカーン郊外でポリオ予防接種チームを監督していた警察の車両が爆破されたという。

 警察トップはAFPの取材に対し「即席爆発装置(IED)による爆発で、警察官1人が殉職し、2人が負傷した」と話した。

 犯行声明は出ていないが、イスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(TTP)」などの武装組織は過去にも、ポリオワクチン接種に従事する人々を標的にしてきた。

 3日間の日程で同国を訪問している国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は、最前線で予防接種プログラムを実施する担当者らと面会。

「ポリオを完全に根絶できるようにするため、パキスタン政府、そして世界各地の国々の政府をしっかりと支援してくれるよう、すべての指導者、宗教指導者、地域の指導者に懇願する」と述べた。(c)AFP