【2月18日 AFP】チエベッゾ・ムテロ(Chiyevedzo Mutero)さん(22)は、ジンバブエの人里離れた地で、密猟者に立ち向かう女性だけのレンジャー「アカシンガ(Akashinga)」になるための最終試験に挑んでいる。

 先日は試験中に指を骨折した。だが、諦めるつもりはない。笑みさえ浮かべながらこう言った。「幸せだから泣かない。アカシンガになれるように頑張りたい」

 カーキ色の戦闘服に身を包み、完全武装したアカシンガは、ザンビアとの国境に近いジンバブエ北部の計4000平方メートルにわたる5か所の野生動物保護区で、密猟者を取り締まる任務を担っている。

 現地の言葉で「勇気ある者」を意味するアカシンガの志願者は約500人に上るが、このうちエリート集団であるアカシンガに選抜されるのはわずか80人だ。アカシンガになると職種によって異なるが、月300~1200ドル(約3万3000円~13万円)の給与が支払われる。

 アカシンガの候補生に選ばれた女性たちは勇敢なだけではなく「サバイバー」でもある。誰もが虐待など過去の困難を乗り越えてきた経験を持っている。

 ムテロさんは若くして結婚し、夫と娘と共に南アフリカへ移り住んだ。だが、義理の母親から身体的虐待を受け、娘を連れてジンバブエに戻ってきた。夫が送金を拒否したため、無一文になった。

 ムテロさんら最終選考に残った160人は、フンドゥンドゥ野生動物公園(Phundundu Wildlife Area)で心身ともに過酷な試験に臨んでいる。炎天下で数日間にわたり、取っ組み合い、競い合い、丸太を持ち上げるなどしている。