【2月18日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、アーセナル(Arsenal)の元監督であるアーセン・ベンゲル(Arsene Wenger)氏は17日、欧州主要大会への出場禁止処分が下されたマンチェスター・シティ(Manchester City)に対する同情心はほとんどないと語った。

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 ドイツ・ベルリンで行われたローレウス・ワールド・スポーツ・アワード(2020 Laureus World Sports Awards)の授賞式に出席したベンゲル氏は、「規則は規則。尊重しない人々は罰則を科されなければならない」とコメントした。

「もし故意に行われたことが証明されれば、処分を下す必要がある」

 欧州サッカー連盟(UEFA)は14日、2012年から2016年にかけて「重大なファイナンシャル・フェアプレー(FFP)違反」があったとして、シティの欧州主要大会への出場を来季から2年間禁止すると発表した。

 3000万ユーロ(約36億円)の罰金も科されたシティは、今回の処分を受けてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に異議を申し立てる意向を示している。

 2008年にシェイク・マンスール・ビン・ザイド・アル・ナヒヤン(Sheikh Mansour Bin Zayed Al Nahyan)オーナーに買収され、経済的な後ろ盾を手にしたシティは、それ以降プレミアリーグ制覇を4度成し遂げるなど10個の主要タイトルを獲得した。

 1996年から2018年にかけてアーセナルを率い、チームの主力をシティに引き抜かれ続けた70歳のベンゲル氏は「彼らは私の選手をすべて買った」とジョークを飛ばした。

 ベンゲル氏がアーセナルの指揮官を務めていた間、コロ・トゥーレ(Kolo Toure)氏やエマヌエル・アデバヨール(Emmanuel Adebayor)、ガエル・クリシー(Gael Clichy)、サミル・ナスリ(Samir Nasri)、バカリー・サニャ(Bacary Sagna)といった選手がシティに移籍した。

 しかしベンゲル氏は、FFP違反の結果としてシティからタイトルを剥奪するべきだという考えには一線を引いた。

「規則が守られなかった場合にどういった罰則が下されるのかを知っているほど、私はこの制度を理解しているわけじゃない」

 また、欧州の資金力があるクラブと経済面で余裕のないチームとの間で差が広がっていることを批判し、「歴史的に見ると、資金力があるクラブが常にトロフィーを獲得している」「この傾向はより色濃くなっている」「最も優れたチームが資金力をつけ、中小クラブとの差は大きくなる」と述べた。(c)AFP