【2月17日 Xinhua News】ハイテク分野の発展に力を入れ、「硬科技(Hard & Core Technology)の都」と呼ばれる中国陝西省(Shaanxi)西安市(Xi'an)はこれまでに、湖北省(Hubei)武漢市(Wuhan)に対して赤外線投影式血管可視化装置合計47台の無償提供を決定し、輸送を開始した。

 この装置はインキュベーターの西安中科創星科技が投資する中科微影が生産した製品で、血管の位置や深さを同時に識別でき、救助過程で患者の苦痛軽減に効果を発揮する。2014年に中国の医療チームがアフリカでエボラウイルスによる感染症(エボラ出血熱)との闘いを支援した際にも活用された。

 中科創星は、中国科学院西安光学精密機械研究所が創設した科学技術の成果を産業化するイノベーションチーム。新型肺炎の拡大・抑制の闘いが本格化すると、同チームは治療過程で医療スタッフが分厚い防護装備を着用しているため、患者に点滴をする際の動きが不自由であることに気づいた。

 医療スタッフの悩みを解決するため、中科微影は現場と連絡後、即座に物資を手配し、47台の赤外線投影式血管可視化装置(565万元相当、1元=約16円)を寄付し、武漢市漢口医院や武漢市第四医院など、多くの感染対策指定病院に的を絞った支援を提供した。まず20台がすでに武漢に向けて発送されており、残る27台も梱包(こんぽう)が完了している。さらに同社は研修と最前線の医療スタッフサポートを全過程オンラインで行い、装置の安全で効率的な操作を確保する。

 現在の赤外線投影式血管可視化装置は、血管中のヘモグロビンによる近赤外光の吸収率が他の組織と異なるという原理を利用しており、デジタル画像への一連の処理を通じて、皮膚の下の血管の位置を皮膚の表面に投影する。これにより、医療スタッフは患者の皮膚の下8~10ミリの位置にあるごく細い血管も明確に識別可能となり、救助効率の向上につながる。(c)Xinhua News/AFPBB News