【2月17日 AFP】フランスのアニエス・ビュザン(Agnes Buzyn)保健相は16日、来月予定されているパリ市長選に、先週わいせつ動画の流出を受けて立候補を撤回したバンジャマン・グリボー(Benjamin Griveaux)氏に代わって与党「共和国前進(REM)」から立候補することになったと明らかにした。

 与党筋もビュザン氏はパリ市長選のため保健相を辞任すると認めた。

 エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領に近いグリボー氏は14日、ある女性に向けた際どいメッセージを伴ったわいせつ動画がネットに投稿されたことを受けてパリ市長選への立候補を撤回。マクロン大統領の与党REMは、パリ市長選の新たな候補者の人選を急いでいた。

 血液学者のビュザン氏はマクロン氏が当選した2017年の仏大統領選後に政界入り。閣僚としての手腕が認められていた。ビュザン氏には、世論調査でリードしている社会党のアンヌ・イダルゴ(Anne Hidalgo)現市長と差を縮めるための厳しい戦いが待っている。

 これまで政治家が性的な不祥事を起こしても純粋な個人的問題だとはねつけてきたフランス政界で、グリボー氏の立候補撤回は一つの転機となった。(c)AFP