【2月17日 AFP】16日に行われたサッカーポルトガル1部リーグの試合で、FCポルト(FC Porto)に所属するマリ代表FWのムサ・マレガ(Moussa Marega)が相手サポーターからモンキーチャント(猿の鳴きまね)を浴びせられたことに抗議し、試合途中でピッチを去る一幕があった。

 古巣のビトリア・ギマラエス(Vitoria Guimaraes)と敵地で対戦したポルトのマレガは、試合前のウオーミングアップの時から暴言を受けていたが、60分に決勝ゴールを挙げると、相手サポーターの行為はさらにヒートアップ。

 マレガはその約10分後にベンチに向かってピッチを去る合図をすると、チームメートや監督らは引き留めようとしたが、すでにゴールセレブレーションに対してイエローカードを提示されていたフランス出身の28歳は、激しく怒り失望した様子で、ホームのファンに向かって親指を下に見せながら退場した。

 マレガはチームが結局2-1で勝利した試合後、インスタグラム(Instagram)でコメントを出し、自身に不快な思いをさせたサポーターを「人種差別的なチャントをするためだけにスタジアムに来るばかども」と非難し、「かばってくれず、さらに肌の色を守ろうとした自分にイエローカードを出してきた審判団にも感謝したい」「二度とサッカーのフィールドで会わないことを願っている。お前らは恥だ」と続けた。

 ポルトを率いるセルジオ・コンセイソン(Sergio Conceicao)監督もソーシャルメディアでホームのファンを批判し、マレガの写真を添えて「われわれは皆、ムサの味方だ」「きょう起きたことには心底腹が立っている」と述べた。

「われわれはビトリアに情熱が存在することは理解している。そしてほとんどのファンが、今回ムサを侮辱した人たちと一緒にしないでほしいと思っているのも分かっている」「国籍や、肌や髪の色にかかわらず、われわれはファミリーだ。皆同じ人間であり、誰もが尊敬に値する。ここで起きたことは嘆かわしい」

 ビトリアとポルトガルサッカー連盟(FPF)は今回の件についてコメントしていないが、ポルトの宿敵スポルティング・リスボン(Sporting Lisbon)はマレガを擁護するコメントを出し、「いかなる人種差別や社会的不公正も認めない」とした。

 マレガはポルトからのローンで2016-17シーズンをビトリアで戦い、リーグ戦25試合に出場して13ゴールを記録していた。(c)AFP