【2月16日 Xinhua News】中国重慶市(Chongqing)の文化遺産研究院は、同市の重慶老鼓楼衙署(がしょ)遺跡南区にある「高台建築(高い土台に築かれた建築)」の基礎部分の考古学調査で、810平方メートルを発掘し、各種遺構29カ所を発見したと明らかにした。

 遺跡は同市渝中区(Yuzhong)解放東路望竜門街道の巴県衙門エリアにある。13世紀の宋とモンゴルとの戦争の時期に建設され、当時は川渝地区(現在の四川省<Sichuan>と重慶市)における南宋の政治・軍事の中心だった。

 同研究院のスタッフ、蔡亜林(Cai Yalin)さんによると、同研究院は昨年8~12月に調査を実施。基壇や建物跡、道路、排水溝、灰坑、石壁などの遺構を発見し、遺跡の分布と保存状況を明らかにした。土台部分の幅は70.92メートル、奥行き27.8メートルで、初期段階の比較では、現存する宋・元代の譙楼(しょうろう、城門の上のやぐら)より大きいという。

 同遺跡は「全国第3次文化財全面調査百大新発見」に選出され、国家文物局が選定した第7次全国重点文物保護単位(国の重要文化財)にも登録されている。

 蔡さんは今回の発掘調査について、「高台建築」の建設や修築、廃棄の過程を知る新たな手掛かりをもたらしたと指摘。今後の保護・展示プロジェクトや考古遺跡公園の建設に向けた実物資料になるとの考えを示した。(c)Xinhua News/AFPBB News