【2月16日 AFP】2014年のソチ冬季五輪でロシアの選手がドーピング違反による失格となったことを受け、繰り上げで1位と3位を獲得したラトビアのボブスレー男子チームに15日、6年越しのメダルが授与された。

 授与式は欧州ボブスレー・スケルトン選手権(The European Bobsleigh and Skeleton Championships 2020)が行われたラトビア中部のシグルダ(Sigulda)の会場で行われ、男子4人乗りチームには金メダル、2人乗りには銅メダルが授与された。

 ラトビアの元五輪選手にして指導者で、そり作りも手がけるヤーニス・スクラスティンシュ(Janis Skrastins)氏は、国内のテレビ局で大会の解説を務めるかたわら「五輪のメダルがまる6年もたって授与されたケースは過去に見当たらない。そのこと自体も記録にするべきだ」とコメントした。

「私自身が1980年代に取ったカップやメダルよりも、(パイロットの)オスカルス・メルバルディス(Oskars Melbardis)とチームのことがうれしいし、彼らを誇りに思う。私自身はフェアなレースで勝つ必要があったが、メルバルディスは違法薬物を使うチームと戦った」

 ソチ五輪のボブスレーでは、アレクサンドル・ズブコフ(Alexandr Zubkov)氏がパイロットを務めるロシアが2人乗りと4人乗りで2冠を達成し、スブコフ氏は大会後に引退して同国ボブスレー連盟の会長に就任した。しかしその後、ロシア選手がさまざまな大会で国家ぐるみの組織的なドーピングを行っていたことが国際オリンピック委員会(IOC)の調査で明るみに出たため、記録を剥奪された。

 そのため男子4人乗りはラトビアが金メダル、米国が銀メダル、英国が銅メダルに繰り上がった。2人乗りもスイスのベアト・ヘフティ(Beat Hefti)/アレックス・ボーマン(Alex Baumann)組が金、米国のスティーブン・ホルコム(Steven Holcomb)/スティーブン・ラングトン(Steven Langton)組が銀、そしてメルバルディス/ダウマンツ・ドレイシュケンス(Daumants Dreiskens)組が銅となった。

 ラトビアの選手が冬季五輪で金メダルを獲得するのはこれが初めて。2回の世界大戦間の冬季五輪にはラトビアとして出場したが表彰台に届かず、その後1991年に独立を回復するまでソビエト連邦に組み込まれたため、しばらく出場自体がなかった。(c)AFP