【2月19日 CNS】中国・湖北省(Hubei)の新型コロナウイルスの感染による肺炎の治療最前線では、患者が多いため隔離用の部屋が足りていない。このため上海市金山区(Jinshan)にあるハイテク企業は、3Dプリンターを使って隔離病室を「印刷」し、最短時間で湖北省咸寧市(Xianning)中心医院に送り、焦眉の急の問題解決に役立っている。

 金山区の「楓涇(Fengjing)工業園」にあるハイテク企業「盈創建筑科技(Yingchuang Building Technique)」がつくった15棟の3Dプリント小屋は、内部にベッドや手洗い、空調機の設置が可能で、移動可能、高強度、気密性と保温性に優れた「感染症隔離病室」だ。

 建築材料や製鉄所のスラグ(溶融した金属から分離して浮かび上がるかす)などを「インク」として印刷が可能で、1台のプリンターが24時間稼働すると、10棟余りの小屋が出来上がるという。

 今回湖北省に寄贈された隔離病室は、もともとは同社が独自に設計・開発した3Dプリンターで造るシェアリングハウスだ。この種の建築物は、3Dプリンターの一体化成型技術を用いており、面積約10平方メートル、高さ2.8メートル、シェル構造採用により風や地震に強く、保温性に優れ、1日に100棟の生産可能だ。

 また、必要に応じて異なる色や表面形状に「印刷」することができ、周辺環境に溶け込みやすい。構造も簡単で、輸送や据え付けも便利で、多数の棟を接合することで使用面積を拡大することも容易という。(c)CNS/JCM/AFPBB News