【2月15日 AFP】新型コロナウイルス感染が確認され検疫下に置かれているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス(Diamond Princess)」の14日のディナーには、「アボカドのキューピッド・サラダ」が出され、乗員にはハート形のメッセージが送られたが、船内に足止めされている人々にとってはいつもと違う苦いバレンタインデーとなった。

 同船のエンターテインメント・マネジャーのナタリー(Natalie)さんは、皆の気持ちを盛り上げようと、赤いドレスに赤いヘアバンドを巻いた姿で撮影したバレンタインデー用の動画をツイッター(Twitter)に投稿。「みんなに知らせたくて。私たちは皆、くじけることなく、元気に、一つの大家族のようにまとまっています」とメッセージを送った。

 乗客のマット・スミス(Matt Smith)さん(57)は、21年間連れ添っている妻のキャサリン・コードカス(Katherine Codekas)さん(57)と船上でバレンタインデーを祝った。

 スミスさんは船内からAFPの取材に応じ、「結婚して21年。(バレンタインデーだからといって)特に大げさなことはしないが、いつもだったらキャサリンにカードくらいは贈っている」とコメント。「彼女はこの状況に少々失望していたと思う」として、「フェイスブック(Facebook)の通知機能で今朝思い出したが、3年前の今日はラスベガス(Las Vegas)で2人で過ごしていた。こんな状況でわざわざ思い出させなくてもね」と続けた。

 乗客には、バレンタインデー用だという朝食が出されたとスミスさん。「乗員が特別な朝食だといって配っていたので今日が何の日か思い出した」「固ゆで卵、ソーセージ、マッシュルームのソテーのどこが特別なのか分からないが」

 だがディナーは、この日のための特別メニューだった。