【2月14日 AFP】中止か延期か、それとも決行か──産業見本市や国際展示会など、大規模イベントの主催者たちが難しい選択を迫られている。開催すれば、数千~数十万人もの来場者が新型コロナウイルス「COVID-19」に感染するリスクを伴うからだ。

 今月下旬にスペイン・バルセロナ(Barcelona)で開催予定だった世界最大級のモバイル関連見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」の中止決定は、イベント主催者らが現在さらされているプレッシャーの大きさを浮き彫りにした。

 会議や見本市で人びとが入り交じる状況に新型ウイルス感染のリスクがあるというのは、もはや仮定の話ではない。

 1月にシンガポールに出張し営業会議に出席した英国人男性が、複数の二次感染例を引き起こした「スーパースプレッダー」になってしまったことが判明している。

 さらに、新型ウイルスはまだ症状の出ていない感染者からも感染が拡大する可能性があるとみられており、安全対策を強化しても効果がないかもしれないのだ。

 実際、MWCを主催するモバイル通信事業者の国際業界団体「GSMアソシエーション(GSMA)」は当初、厳重な対策を講じて来場者の健康を守ると約束。スペイン政府や地元当局も、感染リスクは低いと繰り返し強調していた。にもかかわらず、大手企業など主要な出展者は軒並み参加見送りを表明し、GSMAとしては中止が「唯一の選択肢」となってしまった。

■優先課題は不安払しょく、影響は数か月続く?

「当面の優先課題は、イベント関係者全員の不安を払しょくすることだ」と、フランスの産業見本市協会「UNIMEV」の法務部門を率いるファブリス・デラバル(Fabrice de Laval)氏は指摘する。もしどこかのイベントで一人でも感染者が出れば、「われわれは非常事態態勢に移行し」、入場者を限定するなど「予防措置を強化することになる」。

 展示会業界団体「UFI」のカイ・ハッテンドルフ(Kai Hattendorf)氏は、「新型コロナウイルスは今後数か月にわたって難題を突き付けてくる」との見方を示すとともに、展示会業界には危機から立ち直る力があるとも語った。

 一方、「国際イベントにおける中国の存在感は今や、重症急性呼吸器症候群(SARS)流行時と比べてはるかに大きい」と指摘したのは、約20か国で各種イベントを手掛ける「GLイベンツ(GL Events)」のフィリップ・パスケ(Philippe Pasquet)氏だ。

「結局、すべては流行がどれだけ長引くかにかかっている」と強調したパスケ氏は、恐れているのは「ウイルスそのものというよりも、感染拡大と密接に関係した精神面への影響だ」と語った。(c)AFP/Valentin BONTEMPS, Pierre DONADIEU