【2月14日 AFP】(写真追加)フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は13日、温暖化の影響で消失の危機にあるアルプス山脈(Alps)の氷河を訪れ、気候変動にあらがい環境を保護するため「世紀の闘い」が必要だと呼び掛けた。

 2022年仏大統領選に向け、環境保護政策で実績をアピールしたいマクロン氏は、仏最高峰モンブラン(Mont Blanc)のふもとの町シャモニー(Chamonix)を訪れ、メール・ド・グラース(Mer de Glace)氷河をじかに視察した。この氷河は毎年8~10メートルずつ後退しており、1850年当時と比べると2キロも短くなっている。

 氷河周辺に設置された遊歩道から氷河を見たマクロン氏は、「これほど速いペースで溶けているとは思っていなかった。強烈な印象を受けた。手をこまねいてきた結果どうなったかが、一目瞭然だ」と発言。「まさに温暖化の影響そのもの」だと非難した。

 その上で、より環境に優しい人の暮らしという新しい道の模索が「世紀の闘いになるだろう」と指摘。「この戦略(環境保護)と経済成長は、両立できると証明しなければならない。なぜなら、私はこの戦略が正しいと信じているからだ」と述べ、「道のりは長いが、だからこそ2020年が生物多様性にとって決定的に重要な年となる。変化をもたらす第一歩を踏み出す年だ」と語った。

 マクロン氏はまた、登山客や観光客の「常軌を逸した振る舞い」が増加傾向にある点も大きな懸念だと記者団に話し、モンブラン周辺を保護地域に指定して、望ましくない行為に対する罰金を現行の38ユーロ(約4500円)から750~1500ユーロ(約8万9000~17万9000円)に引き上げる方針も明らかにした。(c)AFP/Laurence BENHAMOU