【2月14日 AFP】中国当局が発表する新型コロナウイルス「COVID-19」の公式死者数が集計方法の変更により急増したことを受け、ウイルス流行の規模が伝えられているよりはるかに大きいのではとの懸念が強まっている。

 新型コロナウイルスの流行により、中国ではこれまでに1367人が死亡し、6万人近くの感染者が出ている。流行の中心地となっている同国中部・湖北(Hubei)省とその省都・武漢(Wuhan)では13日、新たに死者242人、感染者1万4840人が確認され、1日の死者・感染者の増加幅としては最大となった。

 しかし世界保健機関(WHO)健康危機管理プログラム(Health Emergencies Programme)のマイケル・ライアン(Michael Ryan)氏は不安の払拭(ふっしょく)に努め、死者・感染者の急増は「流行の道筋を大きく変えるものではない」と言明。ジュネーブで記者団に対し、「この24時間で目にしている増加は主に感染例の報告方法の変更が一因だ」と指摘した。

 湖北省以外での新たな死者は12人となったが、新たな感染者は312人で、9日連続で減少した。

 同省当局は死者数急増の理由について、感染の定義を拡大し、肺の画像による「臨床的診断」を受けた人々を含めたためと説明している。当局はこれまで、より高度な検査で感染が確認された人だけを集計していた。また保健当局は、過去の感染疑い例を見直して診断を改めたとも述べており、13日発表の数字には過去の患者が含まれている可能性がある。

 WHOは、中国のウイルス流行への対応をめぐる透明性を称賛している。中国は2002~03年に起きた重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行時にはこれとは対照的に、感染の拡大規模を隠していた。しかし、今回のウイルス流行に対する中国政府の対応についても、SARS流行時の対応と似た点があるという懸念も上がっており、国際社会は同国政府に対し懐疑的な見方を続けている。

 米国のラリー・クドロー(Larry Kudlow)国家経済会議(NEC)委員長は13日、米政府が中国の「透明性の欠如に若干失望している」と表明。中国は米国の支援を拒否していると指摘した。

 一方、専門家らは集計方法の変更について、透明性を高める純粋な取り組みかもしれないとみている。

 米マサチューセッツ州ウィリアムズ大学(Williams College)のサム・クレーン(Sam Crane)教授(政治学)はAFPに対し、「奇妙なことに、ここにきて透明性が向上している」とした上で、「これまでの問題が透明性の低さだったのか、ただの劣悪な医療慣行だったのかは分からない」と述べた。

 オーストラリア国立大学(Australian National University)の中国研究者、姜雲(Yun Jiang)氏は新たな集計方法について、検査キットの不足を受けた「現実的な措置」かもしれないと指摘。「数字が必ずしも政治目的で操作されているとは思わないが、数字自体はあまり信頼できないかもしれない」とAFPに語った。(c)AFP/Helen Roxburgh and Laurent Thomet