■命を削って配達に行くのは当たり前

 武漢市でスーパーを営む胡長さんはこの春節(旧正月、Lunar New Year)に、妻と子供と一緒に旅行に出かける準備をしていた。

 ところが1月23日、インターネットからの注文が爆発的に増え、武漢市が封鎖されたとのニュースが伝わった。大型スーパーや農産品市場も営業中止となった。

 胡さんは「突然、自分には責任があると感じました。ネット注文の背後には、多くの家庭が必要とする生活があることが分かり、店を休まず、通常通り注文を受けることにしました」と振り返る。

「その後、ネット注文はますます増えましたが、配達員はどんどん減り、配達は遅れるばかりとなりました。そこで、やむなく妻と子供を実家に預け、自分で配達することにしました」と胡さんは言う。

「そのうちに仕入れが難しくなりました。卸売市場は閉鎖、伝統的な中間業者も配達をしなくなったのです。幸い、ネット上の仲間がおり、毎日自身で倉庫まで商品の引き取りに行けば仕入れはできることとなりました」

「妻からは今、命を削って配達をしていると言われています。でも、私はごく当たり前のことをしていると思っています。私はただ、一介の小さな店の店主であって、私のような普通の店主はたくさんいますから」と胡さんは語った。(c)CNS/JCM/AFPBB News