【2月13日 AFP】フィリピンが訪問米軍に関する地位協定の破棄を通知したことを受けて、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は12日、多額の金の節約になると述べ、懸念を払拭(ふっしょく)した。

 1998年に締結された地位協定は、フィリピン駐留米軍との合同軍事演習の実施の法的枠組みを定めるもの。

 フィリピン政府は11日、訪問米軍に関する地位協定の破棄を通知したと発表。失効まで6か月の猶予がある。

 トランプ氏はホワイトハウス(White House)で記者団に、「彼らがそうしたいならそれでいい。多額の金を節約できる」と述べ、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領とは「とても良好な関係」にあるとアピールした。

 歯に衣(きぬ)着せぬ物言いで知られるドゥテルテ氏は、2016年に大統領に就任して以来、ロシアや中国との関係強化をにらみ、米国との同盟関係解消を警告してきた。今年1月には、国家警察長官を務めたこともあるロナルド・デラロサ(Ronald Dela Rosa)上院議員が米入国ビザ発給を拒否されたことで、地位協定を破棄する方針を明確にしていた。

 フィリピンでは、地位協定をめぐり議論が割れている。左派や国家主義者らは、罪に問われた米兵の特別扱いを保証するものだと非難している。一方、地位協定を破棄すればフィリピンの防衛力が低下し、南シナ海(South China Sea)における中国の野望を阻止するという米国の目標にも支障が出ると擁護する声もある。(c)AFP