【2月13日 AFP】太平洋(Pacific Ocean)を32日間にわたり漂流した末に救助された4人が、ソロモン諸島で快方に向かっていることが、メディア報道により明らかになった。同じ船に乗っていた乳児1人を含む8人は死亡したという。

 現地紙ソロモン・スター(Solomon Star)によると、救助されたのはパプアニューギニア・ブーゲンビル(Bougainville)自治州在住の男性2人と女性1人、12歳前後の少女1人。海に浮かんでいたヤシの実を食べ、雨水を飲んで生き延びたと語っている。

 一行は昨年12月22日、約100キロ離れたカーテレット諸島(Carteret Islands)でクリスマスを祝うためブーゲンビル州を出発した。だが生存者の男性が同紙に語ったところによると、乗っていた小型船が転覆し、複数が水死。残りの人々で船を元に戻そうとしたが、強い海流にもまれ、死者がさらに増えたという。

 男性は「遺体をどうすることもできず、海に流すしかなかった」「赤ちゃんを残して夫婦が亡くなった。私は赤ちゃんを抱いていたが、赤ちゃんもその後死んだ」と語った。

 ボートは約2000キロ漂流した末、仏領ニューカレドニア(New Caledonia)沖で先月23日にようやく救助された。男性によると、それまでに何度か漁船が近くを通過したが、気付いてもらえなかったという。

 生存者4人は今月8日にソロモン諸島の首都ホニアラに移送され、脱水症の治療を受けた後、パプアニューギニア当局に引き取られた。(c)AFP