【2月12日 AFP】男子ゴルフの米国ツアーでメジャー通算15勝を誇るタイガー・ウッズ(Tiger Woods、米国)が、伸び続けるプロ選手の飛距離を抑制する方法について、プロと楽しみでゴルフをプレーする層とで使用できる用具を分ける「分岐」についても検討すべきだと話した。

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 ゴルフ界では現在、楽しむためにプレーする際は最大限の飛距離が出るボールやクラブを使ってもいいが、プロなどでは飛距離が出すぎない用具を使うというようにルールを分けるべきなのではないかという議論が起こっている。

 これについてウッズは「分岐すべきかどうかは議題の一つだ」「ゴルフがこれからも楽しいものであってほしいし、ゴルフをプレーしたいという子どもも増えていってほしい」と話し、ルールを分ければあまり技術がない人はゴルフを楽しみつつ、プロの飛距離増加の問題にも歯止めをかけられると指摘した。

 分岐否定派は、アマチュアゴルファーにとってはプロと同じ用具を使っている事実が一つの楽しみなのだと主張する。また用具を分けると、プロへ転向した際に新しい用具になかなか適応できない問題が出てくる恐れもある。

 しかしその一方で、選手の肉体と用具が進歩した結果、プロの飛距離は増加の一途をたどっている。その進化の過程を目の当たりにし、また自ら一役買ってきたウッズは、このまま伸ばし続けるわけにはいかないと信じている。

「ここまでには長い道のりがあって、おかしいのは僕自身がその一部だということだ」「ツアーに出始めて、最初にデービス・ラブ3世(Davis Love III、米国)にプレーオフで勝ったとき(1996年)、彼はパーシモン(柿の木)のドライバーを使っていた。それで270ヤードを飛ばせても、OBを連発するのがおちだった」

「ところが今では、みんなハイブリッドや5番ウッドで270ヤードを出す」「ゴルフが進化し、変化した結果、今では全長7800ヤードから8000ヤードのコースをデザインしなければならず、場所がなくなりかけている」

 またウッズは、用具以外の要因も指摘し、「昔はジムへ行ってもいるのはビジェイ(・シン<Vijay Singh、フィジー>)と僕くらいだった。それが今では誰もがトレーナーやフィジオをつけているようだ。どのスポーツでもそうだが、おかげでみんな大きく、強く、速くなり、アスリート化が加速している」と話している。

 この問題は、ゴルフ規則を制定している全米ゴルフ協会(USGA)とロイヤル・アンド・エンシェント・ゴルフ・クラブ・オブ・セント・アンドリュース(R&A)が今月、飛距離に関する調査プロジェクトの結果を発表したことで表面化した。

 両団体は、由緒正しいコースが時代遅れとして扱われ、またゴルフで勝つのに必要な能力のバランスが崩れる恐れがあることを理由に、「飛距離が伸び続けるサイクル」を止めたいと話している。調査では、ロングコースの増加による環境へのダメージや、ラウンド時間の増加によるファンの減少といった問題も指摘されている。

 ウッズは「いつも言っている通り、ゴルフというスポーツは流れていて、動いている」「分岐すべきかは、この先も議題になるだろう。多分、解決するのは僕のキャリアと現役生活が終わったずっと後になるだろうね」と話した。(c)AFP/Rebecca BRYAN