■これまでに同定・命名された昆虫は2割程度

 科学者らは昆虫種が約550万種存在すると推定しているが、これまでに種が同定され、命名された昆虫はそのうちの5分の1ほどにすぎない。

「希少な昆虫種は非常に多く、また記録にも残されていない。そのため、絶滅危惧種や絶滅種の昆虫の数は甚だしく過小評価されている」と、カルドーソ氏は指摘する。絶滅危惧種をまとめた国際自然保護連合(IUCN)の「レッドリスト(Red List of Threatened Species)」で評価対象となっている昆虫は、存在が知られている100万種のうちの約8400種にとどまっている。

 また、18世紀から19世紀にかけて起きた産業革命以降に絶滅した昆虫種は、全体の5~10%に上るとされている。

「昆虫の絶滅に関する科学者から人類への警告(Scientists' warning to humanity on insect extinctions)」と題した今回の論文は、学術誌「バイオロジカル・コンサベーション(Biological Conservation)」に掲載された。(c)AFP/Marlowe HOOD