【2月12日 AFP】米大リーグ(MLB)のボストン・レッドソックス(Boston Red Sox)は11日、サイン盗み問題との関連を指摘されて退任したアレックス・コーラ(Alex Cora)前監督の後任として、ベンチコーチのロン・レニキー(Ron Roenicke)氏が暫定監督に就任すると発表した。

 63歳のレニキー氏は、コーラ前監督の下で過去2シーズンにわたりレッドソックスのベンチコーチを務めており、すでに球団のことは熟知している。前指揮官の退任に加え、スター選手のムーキー・ベッツ(Mookie Betts)とデビッド・プライス(David Price)のトレードでチームが揺らぐ中、クラブハウスに安心感をもたらすことが期待されている。

 MLBの調査でヒューストン・アストロズ(Houston Astros)が2017年シーズンに手の込んだサイン盗みをしていたことが明らかになった後、アストロズのA.J.ヒンチ(A.J.Hinch)監督は解任され、ニューヨーク・メッツ(New York Mets)も同年にアストロズの選手だったカルロス・ベルトラン(Carlos Beltran)監督とたもとを分かった。

 そうした中で、レッドソックスでも2017年にアストロズのベンチコーチを務めていたコーラ前監督が退任した。コーラ前監督がレッドソックスをワールドシリーズ制覇に導いた2018年シーズンにサイン盗みをしていたかに関する別の調査は現在も進行中であるため、それが終了次第、レニキー氏は正式に球団史上48番目の監督になる。

 レニキー氏は「困難が自分たちを待ち受けているのは分かっている」「素晴らしい選手たち、そして最高のチームのことに集中している。選手の力を最大限に引き出したい」と話した。

 レニキー氏は約30年にわたってMLBで指導を続けており、2011年から2015年にはミルウォーキー・ブルワーズ(Milwaukee Brewers)を率いて342勝331敗の成績を残した。また2002年には三塁コーチとしてロサンゼルス・エンゼルス(Los Angeles Angels)でワールドシリーズ制覇を経験している。(c)AFP