元ブルージェイズ投手がアストロズを提訴、サイン盗みで賠償請求
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【2月11日 AFP】米大リーグ(MLB)、元トロント・ブルージェイズ(Toronto Blue Jays)のマイク・ボルシンガー(Mike Bolsinger)投手が、2017年にヒューストン・アストロズ(Houston Astros)が行っていたサイン盗みによりキャリアを台無しにされたとして球団を提訴したことが、米紙USAトゥデー(USA Today)の報道で10日に判明した。
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現在32歳のボルシンガーは、2017年8月4日のアストロズ戦で激しく打ち込まれて降格させられて以降、MLBでは投げていない。この試合ではわずか29球で4安打4失点3四球と大炎上する悪夢に見舞われ、これで自身のキャリアが事実上断たれたと確信している。
ボルシンガーは当時、救援投手として必死にシーズン後半の生き残りを争っていたといい、記事では「自分は年齢を重ねていた。チームは若い選手を呼んだ」「あれ(アストロズ戦)がなければ、自分は下に送られなかったかもしれない。だけど、あの時点でチームは自分に対する信頼を失い、見切りをつけていた可能性もある」と明かした。
また、問題のアストロズ戦では違和感を覚えていたことも振り返り、「プロとしてのキャリアで、あれより悪い登板があったか分からない」「あのとき、『自分の球種を読まれているみたいだ。前は狙ってこなかった球を狙い撃ちしてくる。まるで何が来るのか分かっているみたいだ』と話していたことを覚えている。そういうことが自分の頭をよぎった」とすると、「自分にはもうチャンスがなくなったと感じた」と語った。
その後、ワールドシリーズ制覇を果たしたアストロズは、2017年シーズンを通して相手投手のサインを盗む規則違反を犯していたことが調査で発覚し、MLBから罰金500万ドル(約5億5000万円)を含めた厳罰を科された。当時の指揮官であるA.J.ヒンチ(A.J.Hinch)監督とジェフ・ルーノウ(Jeff Luhnow)ゼネラルマネジャー(GM)は、ともにチームを解雇された。
損害賠償を求めてロサンゼルス郡上級裁判所(Los Angeles Superior Court)に提訴したボルシンガーは、アストロズの不公正なビジネス習慣と過失を訴えた。また、同球団がワールドシリーズ制覇のボーナスとして受け取った3100万ドル(約34億円)を没収し、ロサンゼルスの子どもたちのための慈善活動や経済援助が必要な引退した選手に寄付することを求めている。(c)AFP