【2月11日 AFP】エジプトで先月、女性器切除(FGM)の手術を受けた12歳の少女が出血多量で死亡した。執刀医が身柄を拘束されたものの、先週保釈された。

 エジプトでは2008年に初めて女性器切除が禁止された。しかしこの保守的な同国では、女性器を切除することで女性の貞操を促進すると信じる人が多く、この風習は根強く残っている。

 この婦人科医は、首都カイロから南へ約400キロ離れたマンファルト(Manfalout)の裁判所に5万エジプト・ポンド(約35万円)を支払い、保釈された。

 地元メディアは検察当局の話として、医師がこの違法行為について「一切麻酔がなく看護師もいない」自分の病院で、一人で行ったと説明したと伝えている。

 少女は手術直後に出血多量で死亡し、父親が警察に通報。警察は医師に加え、少女の両親とおばを逮捕したが、親族は数日後に釈放されていた。

 少女の死を受け、インターネットやメディア上では非難が巻き起こった。

 国連児童基金(UNICEF、ユニセフ)が2016年に行った調査によると、エジプトの15~49歳の女性や少女らの9割近くが女性器切除を受けていることが明らかになっている。

 同国では、手術を行う医師らは有罪とみなされ、禁錮7年の刑に処される可能性があるとはいえ、法律の適用は徹底されていない。(c)AFP