【2月10日 AFP】韓国映画『パラサイト 半地下の家族(Parasite)』が、第92回米アカデミー賞(Academy Awards)で同国作品として初となる最高賞の作品賞などを受賞したことを受け、同国には歓喜と、にわかには信じ難いという驚嘆の声があふれた。

 拡大する貧富の格差に焦点を当てたポン・ジュノ(Bong Joon-ho)監督の本作は、外国語映画として初めてハリウッド(Hollywood)で最も栄誉ある賞に輝き、韓国は祝賀ムードに包まれた。

 文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領も、自国映画が世界的な評価を受けたことを喜び、「(韓国の)人々に勇気と誇りをもたらしてくれたことに特に感謝したい。ポン・ジュノ監督とキャスト、スタッフを大変誇りに思う」と述べた。

『パラサイト』は作品賞、監督賞、国際映画賞、脚本賞という4つの賞を獲得し、アカデミー賞はアジアの字幕作品を軽視するという通念を覆した。

 韓国の映画ファンらは歓喜に沸いた。あるツイッター(Twitter)ユーザーは「涙が出てくる。ポン・ジュノ監督を本当に誇りに思う。韓国語の受賞スピーチが聞けるなんて感激」と投稿した。

 別のユーザーは「きょうを祝日にすべきじゃないか?」と冗談を飛ばした。

 またハリー・ハリス(Harry Harris)駐韓米大使は「ワオ! ポン監督、パラサイトチーム、そして韓国映画界、おめでとう!」との祝福コメントと共に、『パラサイト』に登場した料理を思わせるインスタント麺の写真を投稿。作中では一般的な食べ方とは異なり、サーロインステーキが添えられていたあの一品だ。

 賞のプレゼンターの一人で、韓国系移民の両親を持つカナダ生まれの女優サンドラ・オー(Sandra Oh)は「韓国人であることを本当に誇りに思う」とツイートして祝福した。(c)AFP