【2月10日 CNS】中国・教育部は先ごろ、新型コロナウイルスによる肺炎の拡大により、2020年春季の授業開始を遅らせることを発表した。また、各地に対し課外教育を暫時停止させた上で、インターネットを利用した情報化教育を学生らに提供し、「授業は中止、勉強は中止せず」としている。

【特集】収束の兆し見えず、新型肺炎が流行する中国の今

 対象は、中央政府の直属大学、地方政府の所属大学、高校、中学校、小学校、幼稚園で、新学期の開始を適宜延期するように求めている。現在、中国の学校に在籍する児童・生徒・学生は約2億7000万人いる。億を超える子供らがオンライン教育に殺到する状況は、政府や教育企業、教師にとっても、保護者や子供らにとっても大きな挑戦だ。

■顧客獲得に走る教育企業、消費者の評価が鍵

 新型肺炎の流行がもたらした「授業は中止、勉強は中止せず」の状況は、もともと冬休み中だったことで、オンライン教育の需要が必須のものとなった。全国の教育・訓練企業は、オンライン教育の顧客争奪戦を始めた。

 大手IT集団「網易(NetEase)」傘下のオンライン教育プラットフォーム「有道精品課」は先月24日、同日より武漢市(Wuhan)の小中学生に対し、冬休み講座を無料で提供すると発表した。

 オンライン教育企業の「好未来(TAL)」は先月26日、湖北省(Hubei)の教育・訓練企業に対し、同時中継プラットフォームと技術的サポートを無料で提供すると発表。

 翌27日には、大手教育機構の「新東方(New Oriental Education & Technology Group)」が2000万元(約3億1400万円)を寄付するとともに、「新東方オンライン」の全ての春季補講クラスの実況中継課程を無料開放することなどを発表している。