【2月10日 AFP】ロシアで第2次世界大戦(World War II)の混乱で生き別れた姉妹が、テレビ番組と警察の捜索によって78年ぶりに再会した。

 内務省が公開した動画によると、妹のユリア・ハリトノワ(Yulia Kharitonova)さん(92)と姉のロザリナ・ハリトノワ(Rozalina Kharitonova)さん(94)は先月、再会を果たし、涙ぐむ家族が見守る中で抱き合ってキスをした。ロザリナさんは「妹をずっと捜していました」と語り、ユリアさんの手を握った。

 10代だった頃、スターリングラード(Stalingrad、現在のボルゴグラード Volgograd)で両親と暮らしていた2人は、第2次世界大戦で屈指の激戦となったスターリングラードの戦い(Battle of Stalingrad、1942~43)を経験。ナチス・ドイツ(Nazi)の包囲を逃れるため、住民が疎開させられた1942年に離れ離れになった。28年生まれのユリアさんは母親と共に約500キロ北のペンザ(Penza)に避難した一方、26年生まれのロザリナさんは働いていた工場の同僚と一緒に、約1400キロ北東に位置するウラル(Urals)地方の工業都市チェリャビンスク(Chelyabinsk)に逃れた。

 過去にロザリナさんは、行方不明の家族を捜すテレビ番組を通じてユリアさんを見つけ出そうとしたことがあったが、当時は再会には至らなかった。

 警察関係者によると、ユリアさんの娘からロザリナさんの捜索の要請を受けた警察はロザリナさんがかつてテレビ番組に登場していたことを突き止めて2人に連絡を取り、姉妹はチェリャビンスクで再会を果たした。

 スターリングラードの戦いは半年にわたって続き、双方に多くの死者が出た。ロシアは5月9日、連合国の対独戦勝75年を記念する大規模な祝賀行事を予定している。(c)AFP/Maria PANINA